ビーガン餃子作りについて

先日、友人の家で一緒に餃子を作って食べた。ドイツに来てから、餃子を作る機会が増えた。理由はシンプルで、アジア料理の中でも分かりやすいレシピであり、ドイツ人の口にも合うからだ。毎年、少なくとも2、3回は「またやろう」と言われる気がする。
僕が餃子を手作りするようになったのは、広島の大学に在籍していたとき、モンゴルからの留学生・ウーさんが餃子の作り方を教えてくれたのがきっかけだった。彼は、皮の作り方から餡の作り方、包み方、そしてタレの作り方まで丁寧に教えてくれた。皮は、小麦粉に塩とお湯を加え、耳たぶくらいの硬さになるまで練る。それを細く伸ばし、包丁で輪切りにして、綿棒で一枚ずつ伸ばしていく。餡作りでは、キャベツや白菜を塩もみして水気を抜く方法をこのとき初めて知った。そして、にんにくと生姜をたっぷり使う。タレ作りは、まずネギ油を作る。熱した油に刻んだネギを入れて火を止めるだけだ。それに酢と醤油を加えて味を整える。シンプルだが、モチモチの皮とよく合い、とても美味しい。
今回はヴィーガンの友人も一緒だったので、ヴィーガン餃子も作ることにした。日本を含め、アジアの料理は肉や魚の旨味を活かすことが多い。しかし、当然ながらヴィーガンの人向けには肉を使えない。ドイツではヴィーガンの人が多く、スーパーやレストランでもヴィーガン対応のメニューが豊富だ。それでも、日本人の僕にとってはまだ馴染みがなく、どう旨味を出すかいつも悩む。昆布や鰹節で出汁を取ればいいのだろうが、コストの面で毎回使うのは難しい。だから、現地で手に入りやすい食材で旨味を引き出す方法を考えている。
今回は、2種類の餃子を作ることにした。一つは豚ひき肉、もう一つは大豆ミートを使ったヴィーガン餃子だ。大豆ミートは食感が本物の肉に近く、油は少なめだが、しっかり旨味がある。以前、友人が大豆ミートでチリコンカンを作ってくれたときに、そのポテンシャルを実感した。そこで今回は、大豆ミートと細かく刻んだマッシュルームと玉ねぎを、それぞれ事前に炒めて下味をつけることにした。さらに、ひき肉をこねたときのような粘りを出すために、粗熱をとり、片栗粉をまぶし、白菜と混ぜ合わせて餡に仕上げた。
みんな包むのが上手で、特にDaniはすでに僕よりも上手だった。だから、みんなに任せて少し休憩。なぜなら、焼く工程がまだ残っているからだ。ここは僕が担当することになっている。餃子の焼き方も重要で、熱したフライパンに油をひき、餃子を並べたら少し焼いてから水を加え、蓋をして蒸し焼きにする。手作りの皮は市販のものより厚くなるので、少し多めの水を入れる。水分が減ってくると、フライパンからチリチリと音が聞こえてくる。それを合図に蓋を開け、最後に少し水気を飛ばして皿に移す。フライパンは一つしかないため、この作業を6~8人分繰り返すとなると、ずっと動き続けなければならない。なかなかの重労働だ。だから最近は、包む工程で少し休憩を取るようにしている。
食べてみると、お肉のほうはやはり肉汁がじゅわっと広がって、とても美味しかった。そして、驚いたのはヴィーガン餃子の美味しさだった。今回初めて作ったが、お肉のほうに負けていない。むしろ、今回に限ってはヴィーガン餃子のほうが美味しいとさえ思った。肉を使わなくても、こんなに美味しくできるのかと感動した。
ドイツにいると、こうしてヴィーガン料理を作る機会が増える。これからも、肉や魚を使わなくても美味しい料理を少しずつ増やしていけたらと思う。